東南アジアの金利比較!リターンとリスクから見るおススメ

東南アジアの金利比較!リターンとリスクから見るおススメ

 

まもなく平成最後の年末を迎えようとしています。平成は「バブル」から始まりましたが、直後にバブルは崩壊。「失われた20年」などという言われ方もしましたが、その後も大きく回復した景気が続くことはなく。結局のところ平成というそのものがまるごと30年近く、失われていたと言ってしまっても過言ではないのではないでしょうか?

バブル期の定期預金には、年利8%というものもありました。これが複利でまわるので、10年間も預けていれば資産は2倍。ある程度の原資があれば銀行の利息だけで生活することを夢見られていたかもしれません。そんな銀行の金利も、いまやほぼ0。

物価上昇率と比較すると、微々たる金利なんかは問題になりません。現状、銀行に預けているお金は(見かけ上はほんのわずかに上昇しつつも)減っているというのが実態です。

現状、金利だけである程度のリターンを受け取ろうと考えるのであれば、日本の預金などは選択肢にも挙がらず、海外の銀行への預金というのが現実的な選択肢になるでしょう。

そんな中で現実的な選択肢として魅力的なのが、東南アジア。現在も成長著しく、高金利な預金を設定している国も珍しくありません。

今回は東南アジアの金利をテーマに、注目すべき国々の数字を比較します。

注意しなければならないのは、金利は高ければ高いだけ良いというものではなく、高金利な国は成長率が高いことが多いながらも、そこにはリスクが潜んでいる可能性もあります。また、単に金利だけを見て投資先を選ぶと、思わぬ落とし穴が待っていることも。

そのあたりのバランスも考えながら、魅力的な選択肢について探っていきたいと思います。

 

 

前提:高金利の裏に潜むリスクを考える、

日本で「銀行預金」という選択肢しか持っていないと、このあたりのご認識も不明確かもしれないので、解説しておきます。本文をご覧の皆様の中には「投資をしたことがない」という方はいらっしゃいますでしょうか?
というと
「いやいや、株をやっている」「仮想通貨を持っている」「投資信託くらいは」
といったような回答をされる方もいらっしゃると思います。
一方で、「確かに投資はしたことないよ。」という方。銀行預金も投資であることをご存知でしょうか?

 

銀行預金という「投資」

利息がほとんどつかず、元本が減ることはなく、万が一銀行が倒産しても預金が1,000万円までは保証されている現在、銀行預金は投資とは異なるものだと思われている方も多いかもしれません。しかし、銀行預金も銀行にお金をあずけ、(現実雀の涙程度ではありますが)利息というリターンを受け取る、投資です。

なくなったり、(額面として)減ったりするリスクはほとんどないけれど、リターンもほとんどない。「ローリスク・ローリターン」というやつですね。

では、ここで日本の銀行預金の利息がなぜ低いのか、改めて考えてみましょう。

政策だから。成熟国だから。不景気だから。

どれも間違いではありません。ただ、前提として根本的な仕組みを理解するために、遠回りに見えるかもしれませんが銀行のビジネスモデルを考えてみましょう。

以下のようになっています。※説明を分かりやすくするために簡易化しています。

  1. 皆さんから預金を預かる
  2. 預かった預金を、資金を必要としている企業や団体に貸し付ける
  3. 貸し付けたお金から、利息を受け取る
  4. 受け取った利息の中から、預金者に対して利息を払う
  5. 払った利息と、受け取った利息の差額が銀行の利益

 

今や、一般市民からの預金にほとんど利息は払われていないので、ほぼ丸儲けのようにも見えますが、一方で、借りる側から見ても「低金利!借りるなら今!」というようなことを聞いたことがあるかもしれません。自営の方や、投資用、もしくは居住用でここ最近不動産をローンで買った方なんかは、身をもってご認識いただいているかもしれませんね。

銀行預金も例外ではない!リスクとリターンの関係

今や「銀行神話」が根強い日本では、低金利でもみなさんが文句を言いながらもお金を預けてくれるかもしれません。しかし、金融リテラシーの高い国では銀行預金とはいえ、金利があまりにも低いと銀行に預金せず、別の形で資産を持つ選択がされます。

株であったり、最近低調ですが自国や自国の通貨を信用していない人にとっては仮想通貨も魅力的な避難先です。早い話、預けてほしければ、支払う利息を上げざるをえません。そして、受け取る利息をそのままに、支払う利息を上げると銀行の利益が下がってしまいますから、貸し付けるときの利息も上げる必要があります。これが銀行のビジネスモデルです。

預金する立場からすると、同じ銀行であればつく利息は商品や預ける金額により一定ですが、銀行が貸し付けるときの金利は貸し先によって異なります。これは銀行の立場に立って考えれば難しい話でないでしょう。

融資先A:わずかずつではあるが着実に成長している。ずっと黒字の優良企業。

融資先B:大きな成長も期待できるが失敗すると倒産のリスクもある。先行投資がかさんで数年赤字。

融資先Aに貸したお金は、高確率できちんと返ってきそうです。一方で、融資先Bに貸したお金は、貸し倒れの可能性もありそうですね。これらのリスクのバランスを取るために、銀行が行っている施策の一つが「金利を変える」ことです。リスクが高い団体は、高い金利を支払わなければ銀行から融資を受けることができないのです。

預金する側からしても、近いことが言えます。仮にですが元本保証がないとして、手元に1000万円あったら、どちらの銀行にお金を預けたいですか?

A銀行:利息は1%/年。毎年、0.5%の確率で倒産する。

B銀行:利息は10%/年。毎年、5%の確率で倒産する。

こうして、例を挙げてみると想像がつきやすいのではないかと思います。金利が低いというのは、ある側面から見ると「信用がある」ということです。一方で金利が高いのは「高い金利でないと借りられない」「高い金利をつけないと預けてもらえない」といったことを意味します。

海外の「高金利」が意味するもの

ここまで書けば、想像に難くないかと思います。成長中の途上国諸国の銀行にお金を預けると、金利が高い理由は「その国の信用が低いから」です。信用が低いからこそ、高い金利を約束しないと誰も預けてくれないのです。単に利息が高ければよいわけではないというのがお分かりでしょうか?

この前提を踏まえた上で海外の銀行に預金し、高い利息を受け取ることを資産形成の戦略にするのであれば、すべきことは明らかです。

金利が高い(一般的にリスクが高いと判断されている)国の中で、実際には相対的にリスクが低い選択肢を見抜き、そこに投資することです。世界的にみれば、東南アジアよりもアフリカ諸国の方が金利で見れば高いのですが、やはりアフリカへの投資となるとまだまだ高いリスクが付きまといそうです。

以上の前提を踏まえた上で、東南アジアの主要国の考察を行います。

東南アジア各国の金利

それでは、改めて、東南アジアの主要国の金利を比較してみます。比較対象は以下の国です。

①シンガポール
②タイ
③ベトナム
④フィリピン
⑤ミャンマー

また、比較に用いるのは各国の「長期金利」の項目とします。

※ CEIC Webサイト
https://www.ceicdata.com/ja/products/global-economic-database

ただし、ベトナムのみ当該ページに長期金利の記載がないため以下のデータを参照
※ Investing.com Webサイト
https://jp.investing.com/rates-bonds/vietnam-government-bonds

 

①シンガポール

シンガポールの長期金利は【2.5%】です。

古くから貿易、交通の要として栄え、戦後は、そこにさらに「金融」の分野を加えることで発展してきたシンガポール。東南アジアでは唯一先進国入りしています。

投資信託などでも、ローリスク・ミドルリターンのパフォーマンスの良い商品も展開されていますが、やはり今や金利は決して高いとは言い難い状況です。(それでも日本よりも断然高いですが)

シンガポール国債は世界的にも非常に評価が高いため、それほど金利を上げなくても十分に借り手がつくことを意味しているのではないでしょうか?

②タイ

タイの長期金利は【2.81%】です。

アジア金融危機以降、製造業の拠点として急速に発展してきた、タイ。首都バンコクの中心地には高層ビルが立ち並び、東南アジア諸国の中ではシンガポールのような先進国を除けば相対的にはかなり発展している部類の国です。

シンガポールと大差ない、というのが個人的には以外な結果ではあるものの(あくまで最新のデータ1回の比較であることは再度強調します。)近年の経済成長度合いやバーツ(タイの通貨)の価値の上昇を考慮すると、金利が相対的に低めの設定になっていることも特に違和感はありません。

③ベトナム

ベトナムの長期金利は【5.1%】です。

数年前からアジアの中でも急成長の国として着目を浴びていたベトナム。ITへの投資が積極的なことでも注目を浴びました。数年前は6%、7%といった金利も出ていたようので、インフレが最も加速している時期と比較すると、ある程度は落ち着いてきたという状況ではあるようです。

東南アジア諸国の中で比較しても、金利は依然比較的高い水準を維持しています。

一点、他のASEAN諸国と比較して、ベトナム特有のリスクが、一党独裁の社会主義国であるという点です。ベトナム戦争において、ソ連がバックについた北ベトナムが勝利する形で統一されたベトナム。経済の中心は南の都市ホーチミン市ですが、首都機能は北部のハノイが有しています。

市場経済を導入し、急成長しているため忘れられがちではあるのですが、政治体制としては共産党一党独裁の社会主義国です。政策的にも自国民の利益保護に走りがちで、東南アジアを投資先とみている投資家層からも、預金のみならず不動産についてもリスクと判断されている側面もあります。

④フィリピン

フィリピンの長期金利は【6.42%】です。

アジアの中でも、中国、ベトナムに次いで近年の経済成長率が3位のフィリピン。英語が第二公用語であり、富裕層、高学歴層だけでなく、国民全体の英語力が高いことが、アメリカを中心としたアウトソーシング業の受注につながり国全体の成長を後押ししました。

現在、フィリピンは11年ぶりとなるペソ(フィリピンの通貨)の下落に見舞われています。一見、経済成長性から見るとマイナス要素ではあるのですが、実はアウトソーシング業や、国外での出稼ぎ労働者の比率が高いフィリピンにとって、ペソ安は有利に働きます

理由は、アウトソーシング業の報酬はドルを中心とする外貨で契約されるため、それがペソに換金された場合、ペソを基準に考えると同じだけの外貨での支払いを受けても、売り上げは増えることになります。出稼ぎの場合も同様で、海外から送金する額が同じであっても、ペソ安の際には換金できるペソの量が増えるため、プラスに作用します。

このように「一見マイナスな要素」が目立ち、金利が高い中で、その要素が実はプラスであるというのは投資のチャンスであると言えるでしょう。

⑤ミャンマー

ミャンマーの長期金利は【9.5%】です。

ミャンマーは長期間軍事政権が政治を握っており、近年になってようやく民主化された国です。現在は年間6~7%という高い経済成長率を誇っている国ではありますが、現状は所得格差の大きさや、環境汚染など、問題が山積みです。

預金のみならず、不動産なども高利回りが期待できるとして投資商品の勧誘が盛んではあります。しかしこと他の国と比較し、リスク相応のリターンが期待できるとは断言しがたい状況ではあるでしょう。

 

まとめ

日本のように金利がほとんどつかず、また銀行の破綻がそれほど現実的ではない国に慣れていると、銀行預金が投資だという感覚は持てないかもしれません。しかし、海外に目を向けてみるとその利率は国によってさまざまで、立派な一つの投資であることが理解できます。

また、利率は低いよりは高い方が良いには決まっているのですが、高い物を選べばよいということではなく、高い物には高いなりのリスクが伴っているということも頭に入れておかなければなりません。

一般的には、金利の低い国は発展しており、国としてのリスクも低いと考えて概ね差支えはありませんが、利率の高低と国の発展度合いは必ずしもイコールではありません。大事なのは、他国と比較し、利率の割りに低リスク、もしくは成長ポテンシャルの高い国を投資対象として選定することです。

今回は東南アジアという狭い世界の中の比較でありましたが、総合的に判断すると「フィリピン」という選択肢が、メリットは多いように見えます。

もちろん、これを読んですぐにフィリピンに投資すればよい、ということではありません。重要なのはこういった視点も参考に、ご自身で考察を行い、投資先を選定することです。

そういった判断の軸としてご参考程度にでもなっていますと幸いです。

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