海外投資をする前に知るべき4つのリスク

2019年4月17日投資ノウハウ

海外の投資商品にはリスクに対してリターンが大きいような魅力的なものも数多く存在します。しかし、一方で投資商品そのもののリスクに加え、海外ならではのリスクも存在します。ハイリスクな商品に迂闊に手を出さないため、リスクについてまとめてみました。

近年、若年層を中心に投資に興味を持つ人が増えてきました。仮想通貨のような簡単に手の出しやすい投資商品が出現したり、ロボットやAIの台頭で年功序列や終身雇用を自分ごとと感じたり。きっかけは様々かと思いますが、これからは国も会社も助けてくれない時代。お金と向き合って生きていくことは必須です。

株式投資、FX、仮想通貨、不動産、保険・・・投資対象は探せばいくらでも出てきますが、その中でどの商品が始めやすいのか、リスクが低いのか、リターンが大きいのか、など迷われる方も多いのではないでしょうか?

投資に少し慣れてきた方におすすめしたいのが、海外投資です。たとえば、銀行預金など、日本では雀の涙程度しかつかない利息であったとしても、急成長中の新興国に預金しておくだけで10%近い年利を受け取ることができるケースも。もう少しアグレッシブな商品に手を出せばさらなる利益追求も可能で、年利20%といった高利率を比較的低リスクで目指すこともできます。

ただし、海外商品にはリスクが付きまとっているのも事実です。(日本の商品がノーリスクということではありません)今回は、海外投資を行う上で注意すべき「リスク」をテーマに4種類のリスクをまとめてみました。

  1. 詐欺リスク
  2. 倒産リスク
  3. 政治リスク
  4. 為替リスク

の4つです。それぞれ、どのような部分にリスクがあり、それを回避または軽減するためにはどのような行動を取ればよいのか、まとめていますのでご参考にいただけますと幸いです。

 

 

 

1.詐欺リスク

まず、もっとも気を付けなければならないのは「詐欺リスク」です。日本の投資商品の中にも詐欺のような商品は溢れていますが、それが海外ともなるとさらに数が広がっていきます。日本では、金融商品の取り扱いについて厳格な法律がありますが、海外では国によってはそういった法規制すら未整備な場合もあります。

日本の詐欺のような案件については、ある程度経験を積めば見抜くことができる方も多いのではないかと思いますが、海外の案件ともなると、その難易度は上がります。さも、実際に優良な投資商品に期待できるような利率の商品を扱っていたりしますし、日本であれば法人の登記の有無や、登記された法人に実態があるかなど比較的調査がしやすいですが、海外ではそれすら確かめるのに一苦労です。

以下、詐欺リスクを回避するための方法についていくつかの論点から解説しています。いずれかに当てはまるから詐欺が確定というわけでも、いずれにも該当しないから絶対に安全というわけでもありませんが、一つの判断指標としてご活用ください。

①高額な紹介報酬

まず、多くの詐欺案件、詐欺の可能性の高い案件には高額の紹介報酬が用意されています。この報酬の原資は、言うまでもなく紹介により獲得した顧客の資産ですね。つまり、新規の顧客の資産は、まず元本から紹介料が目減りした状態から運用がスタートします。それでもなお、運用者側の報酬を差し引いてもしっかり配当を残せるだけの成果が期待できるのでしょうか?

なお、紹介報酬があるからと言って即詐欺とまで断定はできませんが、ねずみ講式に紹介の紹介からも報酬が上がってくるようであれば、限りなく確定に近いです。(ポンジスキームという有名なスキームです。)実際は運用しておらず、新たに集めた資金の中から配当を出して、ある程度集まったところで持ち逃げされるのがオチです。

②毎月などの定期的な配当

毎月、数か月に1回などある程度のスパンで配当が支払われる案件についても注意しなければなりません。確かに、配当が出ていれば一見まともに動いているように見えますし、安心もできます。

しかし、運用する側の視点からすれば、配当を途中で出さなければ複利でさらに大きな利益を生み出すことができるのにあえてそれをせず配当を出し続けるメリットはいったい何なのでしょうか?もちろん、方針にもよるのでそれだけで断定はできませんが、注意ポイントです。

③元本保証を約束

投資商品はどんなものであっても元本割れのリスクがあります。低リスク低リターンの代名詞である日本の銀行預金でさえ、100%の元本保証がされているわけではありません。

本文でも様々なリスクを紹介していますが、投資において「絶対」はありません。その絶対をあえて保証している理由は、資金を預かりたいが故のセールストークである可能性が高いです。

④日本人向けのマーケティング

最後に、少し見抜きにくい要素でもあるのですが海外の投資商品というのは基本的に「日本人でも買える」商品であって、「日本人のために売られている」商品ではありません。その商品があえて日本人のためだけに売られているとすれば、その意図は深く探る必要があります。

日本人と言えば、残念ながら「お金を持っていてリテラシーは低い」と認識されている民族です。「日本人向け」の世界の商品にはくれぐれも気を付けるようにしましょう。

いずれも、絶対的な判断指標ではありませんが、被害者の多い案件に見られるポイントではありますので、ご注意ください。大切なのは「なぜ、そのような話が自分の所に来るのか」です。知らない人経由で回ってくる話、インターネット経由で出回っている話に、なぜあえてそんなに美味しい話を他人に共有するのか、という目線を持ってみましょう。

 

 

2.倒産リスク

続いて出てくるのが、「倒産リスク」です。
運用を請け負っている会社などが倒産してしまうことにより、元本が一切戻ってこなかったり、戻ってきたとしても満額は償還されなかったりといったリスクが考えられます。

最初から詐欺目的での集金ではなくとも結果的に顧客への約束していた配当の分配などができなくなり結果的に残った資金を持ち逃げしてしまうといったような詐欺リスクにつながるようなケースもあります。

倒産リスクについて、身近な日本において「銀行」と「証券会社」を例にとって考えてみましょう。日本において銀行や証券会社が倒産することはそうそうに考えられないことではありますが、もちろん世の中に絶対はありません。日本で投資を行うにあたっても他人事ではありませんから、抑えておきましょう。

仮に銀行が倒産した場合、預けていた預金はどうなるのでしょうか?

答えは「1000万円まで補償される」

です。1000万円も預金していない人にとってはまずは一安心です。しかし、冷静に考えてみると銀行に「預けているだけ」のはずなのになぜ1000万円までしか保証されないのでしょうか?

それは、銀行に預けたお金は「銀行の資産」になるためです。それゆえ、全額を保証する義務はないのです。このようなことは誰も説明してくれませんが、口座を開設する際、誰も読まないであろう規約事項の中に記載されています。

一方で、証券会社が倒産した場合、証券会社に預けていた現金や有価証券はどうなるかというと、証券会社に全額保証する義務が残ります。証券会社においては顧客の資産と自社の資産は「分別管理」を行うことが法律で明確に定められているので、万が一証券会社が資金不足で倒産してしまったとしても顧客の資産は保全されています。(仮想通貨の盗難事件の際にはこの分別管理が曖昧だったことが争点にもなりました。)

海外投資を考えるにあたって、「倒産リスク」に気を付けるにはまずそもそも倒産しないような会社であるかの事前リサーチは当然必要になってきます(詐欺リスクの回避にもあたりますね。)。ただし、そもそも会社の倒産しにくさなど、とりわけ海外の企業においては中々見極めるのも簡単ではありません。

その上で次に気を付けるのがこの「分別管理」が徹底されているかどうかです。もちろん、契約上は定められていても反故にされるようなことも考えられますので、分別管理の記載があればそれで安心というわけではありませんが、このあたりの取り扱いを知っているだけでも、悪質な案件のカモにはされにくくなります。

 

 

3.政治リスク

3つ目として「政治リスク」が挙げられます。

政治リスクとは、投資対象国の極端な政策や、政情不安といった政治的なリスクを受けることで、自身の資産が影響にさらされるリスクのことを指します。「カントリーリスク」という呼び方もします。

政策によって経済面の混乱が起きるという例は近年でも小さい物も含めればキリがないくらい挙げることができます。

有名なもので言えばジンバブエのハイパーインフレでしょうか?ムガベ大統領の独裁政治のもと、経済が崩壊し5000億%のハイパーインフレを記録しました。パン1つ買うのに、トラック山積みの紙幣でも足りないというくらい、物価が上がった、というよりもお金の価値が下がった歴史的な事件。貨幣の信用は国の信用と同等ですので、この事象でジンバブエの国としての信用は、一度は地に落ちました。これを機にジンバブエは自国通貨を廃止しています。まだ10年前の話です。

そして、こういった政治リスクは決してアフリカ諸国のようにこれから伸びてくる新興国に限ったことではありません。新興国の中で注目度の高かったインドにおいても、事実上の預金封鎖が2016年に行われました。流通していた紙幣の8割を超える高額紙幣について発表直後に価値を失わせ、年末までに預金しなかったものを紙切れとするという強硬な政策に出ました。偽造紙幣や不正蓄財の根絶という大義名分はあったものの、紙幣の保有者が多大な混乱をするとともに、法定通貨の信用を下落させる出来事であったことは間違いありません。

こういった政治問題によって資産にだけ気を受けるリスクは、他国はもちろんのこと、日本においても決して他人事ではありません。仮に海外投資を行わないにしても頭に入れておくことは大切です。

とりわけ、念頭に置いておきたいのはアジアの中で成長著しい中国やベトナムといった国々が社会主義国であるということです。市場経済を導入しており、理解しがたい「暴走」をするリスクが高いとは言い難いですが、やはり大前提は共産党一党独裁の国家。共産党が決めた政策は即座に実行されるため、とりわけ彼らから見て海外から入ってきている資本が危険にさらされるリスクは資本主義国と比較すると高いと言えるかもしれません。

 

 

4.為替リスク

最後に、為替リスクについて説明します。
為替リスクとは、為替変動の結果、損失が出てしまうリスクのことです。

投資した案件が詐欺ではなく、運用した商品を取り扱っている会社が倒産することもなく、投資対象の国で大きな政治変動もなく、無事高い配当を受け取って資産を増やせたとしても、いざそれを日本円に戻した時に元本が目減りしているというリスクも考慮しなければなりません。

具体的にイメージするために、「ドル建で、年利が10%の投資商品」をイメージします。
これを100万円分購入して、次の1年後に引き出すつもりでいます。
※理解しやすくするため、売買や国際送金の手数料は全て除外して考えます。

2019年1月21日 1$=109円のレートで換算した時
元本が100万円だとすると、9,174$分の投資を行うことができます。
1年後、無事10%の利息がついたとすると、元本を含めて10,091$が手元に残ります。

いざ、これを円に戻す時、仮に1$=98円まで円高になってしまっていたとしたらどうでしょうか?

10,091×98=988,918円です。

10%増えているはずなのに、元本割れしてしまっていますね。実際にはこれに諸手数料がかかってくるので、もう少し損失が膨らみます。
1年後のドル円相場が「1$=98円」というのは、それほど確度の高い状態ではないにしろ、まったくの絵空事ではないレベルの相場です。

例としてイメージしてもらいやすくするために、アメリカに登場してもらいましたが、先進国ですら不安定な為替のレートは新興国ではより不安定なのは想像に難くないでしょう。新興国の中では安定的に成長を続け国としては発展しているトルコですら、トルコ通貨危機に陥り、トルコリラが暴落したのは記憶に新しいです。

利率が魅力的な投資商品を有している国の多くが新興国です。投資先の国の為替相場や、日本そのものの通貨の状況においても、投資先の国の通貨ベースでは順調に資産を増やしていたとしても、いざ日本円に戻してみると損失が出てしまった、もしくは損失が出てしまうため、日本円に戻すことができないといったリスクが生じる可能性があることも常に年問においておかなければなりません。(もちろん、逆に大幅な為替変動の結果、運用そのものでは多少の元本割れが出ていても為替差益でトータルはプラスだったというケースも想定はできます。)

為替は常に変動しているものですので、この為替リスクを確実に回避する手段はありません。リスクを下げるには円との為替レートが比較的安定しており、今後も政情不安や通貨危機などで大幅なレート変動が起きる可能性が低い国の投資商品を選ぶこと。また、安定しているだけでなく、今後長期的に見て通貨の価値が相対的に上がっていく可能性が高いところを投資対象に選ぶといった姿勢も大切です。

 

まとめ:

海外投資はしっかりと商品を選び投資を行えばリスクに対して高いリターンを見込めるものもあります。より少ないリスクや労力で資産の拡大をおこなう上で魅力的な選択なので、ぜひ、視野には入れておきたいです。

一方で、日本で投資商品を探すのに比べ、

  1. 詐欺リスク
  2. 倒産リスク
  3. 政治リスク
  4. 為替リスク

といった点で気を付けるべきポイントが増えているのも念頭に置いておきましょう。
とりわけ、詐欺リスク、倒産リスクについてはご自身で投資対象を見極める目があれば回避できる可能性が高いですが、政治リスクや為替リスクのような「国家」に絡んでくるようなリスクについてはどこの国の投資商品を購入するかという判断軸に直結します。

政治体制、経済の安定性、今後の成長性など総合的に判断しながら、投資先の国も選定していくことが大切です。たとえばですが、成長する東南アジアの中で安定しつつも今後も成長が見込め、政治的リスクも低い国としてはフィリピンが挙げられます。
ぜひ、フィリピンも一つの選択肢として調べてみると同時に、ご自身でも魅力的な投資対象になりうる国会ついて調べてみてください。