アメリカンドリームならぬアジアンドリームが話題に!世界中がアジア金融に熱中する理由

2019年4月17日アジア金融

後進国の代表とされ続けてきた「アジア」。しかし、経済社会のグローバル化が進むにつれて、アジア新興国へ進出するベンチャー企業が増え始め、世界中の投資家から注目を浴びるように。「アジアンドリーム」現象の裏側を、投資的な観点から解説します。

1.世界の経済をけん引するアジア

「アジア」という単語に対して、後進国のイメージが拭えない人が大多数でしょう。貧困と経済格差に苦しめられ、非営利団体(NPO)の支援なしでは維持できない発展途上国…そのような印象を抱いていませんか。

それにも拘らず、世界中の投資家たちが挙ってアジアへ投資を行うのは何故なのか。その理由は、アジアの新興国による「イノベーション能力」にあるのです。

1.1.アジア経済の現状と変遷

まずは、アジアの経済成長における現状と、その変遷について解説します。
1997年、タイで引き起こされた「アジア通貨危機」の影響で、アジアのGDPは平均6.5%もの低下を記録し、アジア諸国は深刻な経済不況を迎える事になります。

2000年代に入ると、経済構想改革により金融危機への調整・通貨の安定化が行われ、一度は地に落ちた信頼を挽回し、アジアは魅力的な「投資国」として返り咲きました。
インフラ需要の拡大によって一気に経済回復を果たすと、アジア新興国で高度経済成長の時代が到来し、2000年半ばにはアジアの平均成長率は「8%」の高成長を遂げ、「世界経済のけん引役」として脚光を浴びました。

2008年の「リーマン・ショック」による世界的な金融危機以降は、成長ペースは鈍化したものの、アジア地域全体が堅調な成長を持続している状況です。
中でも特に目立つのは、アジア新興国における「富裕層」と「中間所得層」の増加で、経済成長によって国民の所得は上昇トレンドにあり、購買力の成長も期待されています。

では、現状の話に移りましょう。2018年~2019年のアジア経済は明暗が分かれ、中国を始めとしたNISE諸国の景気はやや減速傾向が続く一方、インドネシアやフィリピンなどアジア新興国の景気は堅調な成長を維持し、アジア景気のけん引役を担っています。

タイやベトナムの経済成長率は、外資企業の新工場設置・稼働によって「+5.0%」と高めの成長率を維持しています。非新興国のインドも外資需要に支えられ、2016年の「高額紙幣廃止」による景気低調の危機を乗り越え、2018年には息を吹き返し「+8.2%」の急上昇を見せました。
先進国の迷走が続く中、アジア地域の経済情勢は以降も高めの維持が続き、2019年~2000年におけるアジア全体の成長率は「+6.3%」に達すると予想されています。

1.2.巨大な消費市場と成長を続ける人材

アジア地域の魅力と言えば、大人口による安定した生産力と大規模な消費市場の存在です。
ASEAN諸国は世界人口の「9%」―世界の1割に届く人口を誇り、また非新興国も10億を超えるほどの大人口地域がアジアに存在しています。
中国は「13.86億」、インドは「13.86億」の人口を誇る人口大国であり、世界人口の3割、アジア人口の約5割を占めています。

ASEAN諸国における一人当たりの平均GPDは「1,478ドル」であり、2~30,000ドル以上の消費額を誇る先進国には及ばないものの、世界第二位の人口大国である中国の「1,215ドル」を超えています。
経済成長の所得安定によってGDPは上昇を続けており、この調子で大規模な市場と大多数の顧客を抱えることが出来れば、更なる消費市場の拡大が見込めるでしょう。

さらに、アジアで急速な成長を遂げているのは経済・産業だけではありません。アジア諸国には高いポテンシャルを秘めた優秀な人材が揃っており、少子高齢化に苦しめられる日本とは真逆に、若年層などの生産年齢人口が増加しています。
インフラ投資の支援によって教育・就労環境も整いつつあり、アジア人民の成長意欲・成長力も手伝って、アジアの生産力に高い期待が寄せられています。
一時期は「低コストの人材」を目的にされていたアジアですが、今では将来有望な人材の宝庫として、ベンチャー企業の進出地はアジア諸国へとシフトを始めています。

新興国での成長を果たすベンチャー企業

ビジネス用語としての新興国は、「国際社会において、盛んな投資や貿易により急速な経済的成長を遂げている国」を指します。
急成長を遂げたとはいえ、アジア新興国の経済水準は日本やアメリカなどの先進国に比べると低いですが、その分より大きな成長を見込めるポテンシャルがあります。

アジアの成長力を見込んで、世界中のベンチャー企業やスタートアップ企業が、アジアへの事業展開や事業提携を積極的に行うようになり、さらなる事業拡大を目指しています。
特に中小企業のASEAN進出は一段と目覚ましく、「中小企業白書2014」によると、2011年度におけるASENA諸国での現地法人数は全地域の「25.3%」―約4割の数字を占めており、これは中国の「37.4%」に次ぐ数字です。

アジアでの事業展開・起業が増えた影響から、ベンチャー投資信託を受け負う「ベンチャーキャピタル(VC)」もグローバル化が進み、アジアへの国際的投資は盛んになる一向であり、以前よりも遥かに参入が容易になったと言えるでしょう。

「仮想通貨」によるアジア・イノベーション

アジア経済の急成長を促したフィンテック産業の一つに、「仮想通貨プラットフォーム」の存在があります。
仮想通貨の普及は著しく、為替・株式・不動産に並ぶ「次世代の金融商品」として、世界中の投資家から注目を集めています。

その仮想通貨のシェアを独占しているのは、シンガポールを始めとしたアジアの金融サービス企業です。
中国の「BINANCE」やシンガポールの「Liquid」、香港の「BITMEX」など、有名な大手海外取引所の殆どは、アジア諸国を本拠においている会社です。
仮想通貨取引の規制が強化されることに警戒する投資家も多いですが、広まった当時は無法地帯であった市場に「秩序」が齎されたことで、今後の発展を期待する声も上がっています。
事実、仮想通貨の法整備と共に世界中で実用化が広まり、仮想通貨によるクラウド・ファンディングは益々盛んになり、日本ではビットコイン専用のATMや決済システムの開発・設置が進められています。

アジア諸国の経済発展と仮想通貨プラットフォームの発達は、決して切り離す事の出来ない関係にあり、仮想通貨はアジア・イノベーションを大きく促進させる一要素となるのです。

2.成長した金融ベンチャー6社紹介

日本を始めとした先進国を本拠とする世界中の企業が、アジアへの事業展開を進めています。事業に失敗してやむを得ず撤退した企業もあれば、大きな成長を遂げられた企業もあります。
アジアへ事業展開した企業の中でも、特に成長を続けている金融ベンチャーを国内の中小企業から4社、海外の大手企業から2社、合計6社選びました。

株式会社メタップス

決済・金融のファイナンス事業、データ解析・広告のマーケティング事業、コマース・メディアのコンシューマ事業の3事業を中心としたフィンテック企業です。
人工知能や仮想通貨などのテクノロジーを用いた、先進的なIT技術によってデータを軸とした経済圏の構築「データノミクス構想」を中期経営方針として掲げています。

メタップスは2007年に設立され、2011年から本格的にグローバル進出を開始、アジア事業の展開によって業績を上げ、2015年には東証マザーズへの上場を果たしました。
日本・中国・韓国を中心に展開し、売り上げの大半はアジア地域の収益で、2015年の海外売上比率は52%を超えました。さらに、シンガポールや台湾に子会社を設立するなどアジアでのビジネス領域を広げつつあります。

Daiwa Capital Markets

「大和証券株式会社」「大和ネクスト銀行」などの金融企業を傘下に置く、「大和証券グループ本社」のアジア拠点です。

大和証券は、2008年からアジア地域への事業展開とインフラ投資に注力し、シンガポールの富裕層向けたPBサービスを展開していましたが、アジア展開の中心であった「大和SMBCキャピタル株式会社」の合併・契約解消に伴い一時凍結しました。

しかし、アジアに拠点を設ける中小企業の増加に伴い、2015年には本格的にサービスを再開し、16年にはアジアの富裕層に向けた資産運用の拡大を図りました。
事業の主軸をアジアへシフトした経営者・起業家を足掛かりに、PB事業を経由する預り資産は大きく伸長。アジア圏でのM&A実績を上げ収益を拡大するなど、アジア展開において好調の兆しを見せています。

YCP Holdings Limited(YCPグループ)

2011年に創業された新興企業であり、マネジメントサービス事業・プリンシパル投資事業を展開してベンチャーキャピタル企業です。
アジア圏内のベンチャー・スタートアップの支援サービス提供が主な事業で、経営コンサルティングやアドバイザリーサービス、海外リサーチなど幅広い分野のビジネスサポートを行っています。

2013年には中華圏・東南アジア圏を中心にグローバル拠点を設置し、2018年9月には中国・東南アジアに強い基盤を有するシンガポールの戦略コンサルティングファーム「SolidianceAsia Pacific Pte. Ltd.」との経営統合が決定。
それにより、「19拠点×250名体制」という、アジア最大規模のプロフェッショナルファームへと大成長を果たしました。

GMOペイメントゲートウェイ株式会社

株式投資やFXでお馴染みの「GMOインターネット株式会社」を親会社に持つ、決済関連サービス事業を専門とした金融サービス企業です。
GMO-PGは、「eコマース」などの非対面ビジネスを展開する国内事業者向けの海外決済サービス「GMO-PG Global Payment」の提供を中心に行い、アジア地域を拠点とした事業領域の拡大を積極的に進めています。

2016年には、シンガポール・香港・台湾・マレーシア・タイの5国に現地法人を設立し、アジア諸国において決済サービスの提供・展開を果たし、着々とビジネス領域を広げています。
国内事業者の海外進出支援に留まらず、東南アジアの現地銀行・大手企業への決済サービス等の提供など、さらなる事業領域の拡大を目指して動いています。

シティグループ

アメリカのマンハッタンに本社を置く金融関連事業の持株会社で、四大銀行やバルジ・ブラケットの一つです。
アジアの富裕層間では資産管理に対する意識の強まりから、所謂「ファミリーオフィス」の設立が広まっており、多くの大手企業が富裕層向けの金融サービスを提供する中、シティグループもその邸に漏れずアジアでの業績拡大に力を注いでいます。
裕福層向けのサービス提供だけでなく、M&Aアドバイザーなど顧客企業のグローバル展開をサポートする事業にも力を注いでいます。

過去にはアジア・太平洋地域におけるプライベートバンクの運用資産残高が、イギリスの大手銀行「HSBC」の「1290億ドル」や、後出するスイスの銀行「UBS」の「1790億ドル」を抜き、「1930億ドル」まで上がり見事1位を飾った経歴があります。
アジア本国でも、「ベスト・バンク」に選出されるほどの人気を有し、アジアでの事業展開において重要な位置づけになると注目されています。

USB AG

スイスのチューリヒ(またはバーゼル)に本拠を置く欧州最大の銀行の子会社であり、世界有数の金融持株会社です。
欧米などの先進国だけでなく、アジア圏の新興国にも大きな強みを持ち、コンサルティングやアドバイザー、リサーチなど、「投資銀行」としてのサポートにも力を入れています。

アジアにおける業績拡大は目覚ましく、着々とアジアの顧客数を増やし続けており、ファミリーオフィス部門の顧客獲得はアジア地域が最も多くなると見られています。
さらに、プライベートバンク部門は世界最大の資産を預かっており、2015年のアジア地域における運用資産残高ランキング1位を達成しました。
ブロックチェーンの普及にも目を付け、貿易金融プラットフォームの共同開発にも参加するなど、今後の動向についても注目されています。

3.世界の投資家が注目するアジア

アジア諸国がこれほど目覚ましい経済成長を遂げられたのは、決して企業の成長力だけではありません。高度経済成長の裏には必ず、国家や企業の成長を支持する―すなわち、「投資家」の存在があるのです。

アジア諸国がそれぞれに持つ投資メリットを中心に、ビジネス展開やスタートアップの著しい6カ国を挙げて紹介します。

インドネシア

アジア新興国で最多の人口を持つ大国で、首都の「ジャカルタ」はASEAN本部の所在地で、アジア投資の中心地として発展しています。
世界4位・アジア新興国1位の人口規模を誇り、その人数は「2億6,000万人」と莫大です。さらに、15歳未満の人口比率は「約26%」、平均年齢は「28.5歳」と生産年齢人口の比率が高い傾向にあります。

インドネシアの島々は天然資源に恵まれ、金やニッケルなど金属の他に、石油や石炭、天然ガスの採掘場として有名です。外資企業によって多くの製鉄・機器工場が開設されており、アジアの製造業を支える重要地区です。
2000年以降の経済成長率はプラス傾向を維持し、リーマン・ショックによる金融危機以降も、国内の好調な国内消費に支えられてプラスを維持し、現在に至るまで一度もマイナスを記録していない底堅さを見せています。
若年層の増加による生産力の向上と、購買力の上昇による市場拡大が重なれば、更なる成長が期待できるでしょう。

シンガポール

世界的な金融センターとして有名な、裕福層を惹きつけて止まない東南アジアの主権都市国です。
積極的に外資企業や事業者を誘致することで、自国の経済成長を促す政策をとっており、非常に整備された法制度と金融システム、誘致を狙って緩和された外資規制により、事業者の参入ハードルを大きく下げる事に成功しています。

経済的自由度2位の人気を誇るビジネス国でもあり、化学・医療・ITなどハイテクノロジーによる高レベルの技術産業が集中しています。
特に金融ベンチャーからの人気は高く、さらにシンガポールに拠点を置くグローバル企業の数は「約7,000社」との調査結果が出ています。

最大の「20%」の低率な所得税に加え、事業譲渡や資産保有への課税も無く、富裕層の資産確保・形成にうってつけの税制が設けられています。
アジア展開の足掛かりとしてシンガポールを選ぶ企業も多く、シンガポールは今後も海外進出の本拠として発展するでしょう。

マレーシア

東南アジアの「マレー半島南部」と、「ボルネオ島北部」を領域とする連邦立憲君主制国家です。観光地として高い人気を誇り、世界中から影響を受けた多様的な文化を築き上げています。
シンガポールと同じく積極的に外資企業を誘致しており、製造業や流通・サービス業では(一部を除き)100%外資が認められるなど、資本規制の緩和も行っています。

特筆すべきはGDPの高成長で、マレーシアの購買力は「若年層の人口増加×一人当たりの所得急上昇」という計算式が定説され、市場成長への期待度は非常に高いです。
人口は約3,000万人と市場規模は小さいですが、出生率の高さから人口の増加が期待されており、購買力の上昇ペースもあって、大規模な市場へと発展する可能性を秘めています。

フィリピン

7,000 以上もの島で構成された群島国家で、アジア新興国の中ではインドネシアに次ぐ人口を持ち、既に「1億人」を超過するほどの人口を誇ります。

成長を続けるアジア新興国の中で最も注目を集めており、盛んに投資が行われています。「投資に最も適した国」という評価を受け、株式などの金融商品だけでなく、不動産投資の人気も高いです。
産業は製造業から農業・建設・商業とバランスのよい生産構造であり、生産物の22%が日本に輸出されています。
フィリピンの詳しい解説は個別に設けているので、ここでは割愛します。

ベトナム

「インドシナ半島」の東部に位置する社会主義共和国で、9000万人以上の人口規模を誇る人口大国です。
他国に比べるとまだ発展途上の状態であり、外資獲得の必要性やインフレ対策から、「6%超」という高めの金利設定や、預金の利子に対する無課税などの税制を行い、先進国からの投資を積極的に誘致しています。

ベトナムの土地は豊富な資源に恵まれ、天然ガス石炭など鉄鋼資源の他に、森林資源・水産資源など、様々な天然資源が豊富に揃っています。
さらに、国民の平均年齢「31歳」と若い上に、他のアジア諸国に比べて労働コストが安いというメリットがあります。人材は勤勉且つ向上心の高い有望な若者が多く、「労働力」と言う大きな強みになっています。
成長を続ける経済力や労働力、豊富な人材と資源による高い生産力。事業展開のメリットを全て揃えた出発地点の一つです。

香港

中国の南部に位置する「特別行政区」です。「金融自由化」を掲げており、アジアでの投資を行う上で重要な位置を占めています。
金融自由化の風潮が示すように金融業の発達が著しく、株式・債権を始め豊富な金融商品が並んでいます。特に外国債券のラインナップは充実しており、海外投資の経由地とされる事も多いです。

法人税は低く、キャピタルゲインを始めとした資産保有の課税もありません。オフショア投資をする上でのメリットに溢れ、金融ベンチャーの本拠としても人気があります。
経済的自由度は22年連続で世界1位という記録しており、シンガポールに続く海外進出・資金調達の拠点として、高評価を得ている経済大国です。

4.その中でもフィリピンが注目される理由

前項の説明で述べたように、堅調な成長を維持しているアジア新興国の中でも、フィリピンは特に注目されています。

株式・不動産・仮想通貨など、多くの投資活動でにぎわうフィリピンの金融市場。一体何が投資家たちを惹きつけるのか、その理由を詳しく解説します。

最も投資に適した国「フィリピン」

先ずフィリピンの経済状況ですが、GDPは「約3130億ドル」、一人当たりのGDPは「2,988ドル」と、他の新興国よりも上位という程度の数値で、世界的に見れば低水準です。
しかし、他のアジア新興国と同様に安定した経済成長率を誇り、現在に至るまで「6%」以上を維持しており、この成長は今後数十年と続くと予測されています。

その根拠となるのが、生産年齢人口の割合が高い状態―「人口ボーナス」の長期継続です。2014年にフィリピンの人口は「1億人」を突破しましたが、その後も人口は増加傾向が続き、2050年には人口ボーナスのピークを迎え、総人口は「1億2,700万人」に達しするとされています。
人口ボーナスの継続が意味するのは、「労働力の増加」と「消費・税収の上昇」にあります。若年層が増えて生産力が上昇し経済力が成長すれば、一人一人の所得が上がって購買力も上向きになり、国の税収が増えて教育・医療・福祉などの税負担も軽くなります。
所得の上昇と税負担の軽減が重なれば、国民も貯蓄をしやすくなるので、投資活動の活発化にも繋がります。

これらの要素から、未だ発展途上の状態にあるフィリピンに投資が集中しているのです。アメリカの有力誌では「最も投資に適した国」に選ばれるなど、その期待度の高さがどれほどのものか解るでしょう。

政治改革による外資企業の優遇

フィリピンは治安が悪いというイメージを持たれていますが、15代目にあたる「アキノ大統領」が治安を改善させ、外資系企業の誘致を積極的に行う政策を取り、フィリピンへの事業進出を有利にするための外資優遇制度が設けられました。

その代表となるのが、「投資奨励事業分野」の制定です。フィリピンでは毎年、政府の投資委員会(BOI)から「投資優先計画(IPP)」の発表が行われており、これに指令された業種及び事業は、様々な優遇措置を受けることが可能になります。
また、国内では経済特区庁が管理する「PEZA(Philippine Economic Zone Authority)」という経済特区が設けられています。この地区では、フィリピンへ投資を行う外資企業に対する、多様且つ手厚い優遇制度が設けられています。
PEZAへの登録は一部の例外を除き、特に制限は設けられていません、企業や国籍を問わず誰であっても「自由貿易企業」として登録することが可能です。

治安の悪化と情勢の不安さから、世界から白い目で見続けられてきたフィリピンですが、現在はアジア展開のスタート地点として、多くの魅力にあふれた新天地へと変貌を遂げたのです。

フィリピン投資のすすめ

フィリピンの投資で熱いのは「株式投資」と「不動産投資」です。後者の盛り上がりは特に激しく、治安の改善や不動産価格の安さ、労働人口増加による需要の上昇から、今もなお高い人気を集めています。
また、2017年からはドゥテルテ大統領によるインフラ整備計画が進められ、公益・インフラ投資も注目されています。インフラ投資の拡大はフィリピンの景気をけん引しており、フィリピンの経済成長と環境改善に一役買っています。

前大統領の政治改革から、フィリピンの政治・経済には穴が無くなり、安定した成長を期待できるようになりました。
稀代の大発展が約束されているフィリピンの地は、世界中の事業家や投資家から注目され、成長のための資金を注ぎ込まれ続けているのです。

5.今後も伸び続けていくでしょう

現在、アジア新興国における共通の問題は「インフラ整備」の不完全さと、人口増加における「教育・就業環境」の不足です。
特に後者は未だ地域格差が激しく、インドネシアやフィリピンなどの人口過密地域は、人手が余っている状態が続いています。

裏を返せば、「労働力には事を欠かない」「投資のチャンスが大量にある」という事でもあり、

金利が高い=成長中の途上国

基本的に、成長途中の新興国はインフラ投資を始めとした外資獲得のために、金利を高めに設定しています。
現在、発展途上で高金利であるアジア新興国の利率を挙げてみます。

・ ベトナム:6.5%
・ インドネシア:4.75%
・ フィリピン:4.75%
・ マレーシア:3.25%

逆に言えば、低い利率は経済的成長を遂げた事の証明であり、事実、シンガポールや香港と言った経済大国は1%にも満たないほどの低金利です。
つまり、金利が高め―成長中の内に投資を行うべきなのですが、投資にはリスクがつきものであり、特に発展途上の経済成長は政治情勢の波に左右されてしまいがちです。
アジア圏のみならず新興国の政治は不安定と言うデメリットもあり、特にトランプ大統領の就任後は、世界中の迷走が懸念されています。だからこそ、成長が確実視されているフィリピンへの投資が推奨されているのです。

アジアで増加するユニコーン企業

アジアの経済成長が目に見えて解るのは、「ユニコーン企業」の急増でしょう。その背景には、経済成長による所得増加とオンライン市場の活発化があります。
国の経済成長よって中間所得層の購買力も上がり、国民にスマートフォンが普及するようになると、オンライン上の消費市場は益々盛んになりました。

特に、決済サービスや物流・物販などのモバイルインターネット市場における勢いは激しさを増し、アジアのユニコーン企業にはITサービス分野の企業が多く見られます。
購買力の上昇に伴って、ライフスタイルやエンターテイメントなどの分野も急増し、テクノロジーを用いたスタートアップ企業も参入しつつあります。
経済だけでなく技術面での急成長も見られており、アジア企業への投資は益々ヒートアップしています。

世界経済の中心はアメリカからアジアに変わる

「2030年には、世界経済の中心はアメリカからアジアになるだろう」―アジア経済の成長モデルにおいて、定説的に語られている予測です。

社会的弱者である貧困層が、勤勉と努力によって裕福層―世界的強者への仲間入りを果たす、経済的成功の代名詞「アメリカンドリーム」。
しかし、今ではアジアに取って代わられ「アジアンドリーム」が叫ばれる時代となり、栄華を飾った世界の中心国に、かつての貧困国であったアジア諸国が打ち勝とうと奮闘しています。

今の内に地盤を固めておく必要のある若年層や中小企業こそ、アジア・ベンチャーに挑戦するべきでしょう。可能性の大海原アジアへと手を伸ばし、栄光のアジアンドリームを掴んでみませんか。