日本の銀行の歴史とアジアの銀行の歴史

2019年5月9日海外金融

終わる日本の銀行と始まったアジアの銀行
今回は、なぜ、日本の銀行が衰退し、アジア各国の銀行が躍進しかなりのメリットを享受できるのかの話をしていきたいと思います。

銀行の稼ぐシステム

銀行の稼ぐシステムというのはあまり一般の方には理解している方が少ないと思います。ここでは、銀行がどうやって利益を出しているのかの話をして、根本的な理解をしていただきたいと思います。

まず、銀行が利益を出すシステムには3つの大きな柱があります。

  1. 融資
  2. 決済
  3. 為替

この3つが銀行の主な収益源になります。昨今は日本の銀行でも国債や投資信託の販売を行っていますが、これは日本の銀行が近年、稼げなくなったために新たな収益の柱をみつけるために行っています。

また、日本の銀行は時間外手数料を取られますが、この手数料に関して、みなさんの中で疑問に感じている方は非常に多いと思います。なぜなら、自分のお金を引き出すだけなのになぜ、手数料を取られるのだろう、という疑問だと思います。これも銀行の収益力低下に起因するものです。

つまり日本の銀行の収益力は非常に低下をしている、この原因を見つけ出すためにそのシステムを理解すれば、その理解は進むでしょう。

銀行の融資システム

銀行の主な業務には融資業務があります。これは、かんたんな言葉でいえば、お金を借りたい人にお金を貸す、という業務になります。

その貸すお金の原資は、みなさんのさまざまな預貯金になる訳です。つまり、みなさんから広くお金を集め、そして、それを、お金を借りたい人にそのお金を貸しだすという業務になります。

銀行の業務にはそのほか、2つの業務がありますが、この融資業務が銀行の業務の柱になります。

では、具体的に融資という業務の収益の発生の仕組みを解説していきましょう。若い方はあまりよくわからないと思いますが、銀行に預金をすれば、金利というお金が派生をします。若い世代はこの金利というもののありがたさが実感としてないからです。

なぜなら、この金利は日本銀行のマイナス金利の影響で、預金金利がマイナスになることはありませんが、本当にスズメの涙くらいしかつかないのです。

そう、預金者であるみなさんには金利を付与して、そのお金を原資として資金をお金を借りたいしたい人に融通しているのですから、その手数料という金利を銀行から付与されるのは当然のことです。

一方、借りる側の人は、その預金金利以上の借金の金利を支払わなくてはいけません。

その預金金利と貸出金利の差が銀行の収益になるのです。つまり銀行が儲けるためにはできるだけ金利を安くして、貸し出し金利を高くすれば、自動的に銀行は儲かるという仕組みが銀行に利益をもたらすシステムになります。

決済、為替業務

決済というと、なんだか小難しい言葉に感じる方は非常に多いと思います。かんたんにいえば、いま、流行りのネットショッピングの代金の受払と考えればいいと思います。つまり、カードや銀行振り込みなどで商品を買えば商品が送られてくるのに介在をするのが銀行になります。

カード会社で日本の主なカード会社はたいていの場合、日本の銀行が親会社になります。

そのほか、1つの事業を締結し、その代金の受け払いなども決済といいます。このような決済などは日本の税務署が銀行を経由して行うように、との指導を行っていますのでこういった扱いも増えています。

為替は、ご存知のように外国の通貨と日本の円貨を交換する業務になります。大事なことは、そこには手数料が介在しているということで、銀行の収益になります。

苦境の銀行

まず、②、③の例でいえば、たとえば振込送金の場合、昨今は、仮想通貨など代用の決済手段が増えてきています。携帯電話で中国などは送金するのが当たり前の時代であり、そういったお金の送金などは、銀行抜きで決済することが増えてきました。

銀行からそのほかの決済手段に移行したのは、結局、時間がかかる、手数料が高い、という銀行にはネックがあるのです。たとえば仮想通貨で送金をした場合、ほぼリアルタイムでの入金で、手数料も銀行の1/10以下であれば、ほとんどの人は銀行が介在しない取引を行うことは誰でも想像がつくでしょう。

カード決済にしても中小、零細の事業者はこの決済を嫌がる傾向にあります。なぜなら、消費者はその手数料負担はありませんが、事業者のほうにカード決済の場合は手数料を求められるからです。ただ、時代の潮流になりますのでほとんどの事業者はカード決済を行っている状態なだけです。

為替の取引手数料も仮想通貨やFX会社と比べるとものすごく高い手数料を徴収されます。そのうえ、入金、送金が遅いとなれば、ほかに便利な手段があれば心理として、銀行を介在しない取引を消費者が好むのは必然となります。

このような時代の流れになりますから、銀行の収益②③については非常に収益力が弱っている状態になります。

銀行の本事業、融資も25年前から衰退をしている⁈

銀行のメインの収益事業は融資になります。たとえば、みなさんの中にも住宅ローンを抱えている方はいらっしゃると思いますが、その審査というのは、あなたが審査を受けてその結果を得るのに、何日も要したと思います。ところが、現在はその審査は数時間以内に結果が出ることになるでしょう。

一部の銀行ではその場で融資の可否を判断しているのですが、これは人件費節約のためにAIを導入して人権費の圧縮を図っているのです。つまり本業である融資でさえも自動化を進めなければいけないほど銀行の体力は弱っています。

では、なぜ、これほどまでに体力が弱ってしまったのか、ということが問題になります。その答えは日本の成長が止まってしまったからです。

上記は1981年から日本の年率の経済成長のグラフになります。

1992年から本格的なデフレ不況になり、年率の成長が平均で2.5パーセント程度になてちることがわかります。リーマンショック(2008年)、東日本大震災(2011年)直後はひどい落ち込みになっています。しかし、その後、大幅に成長をしているじゃないか、という声もあるかもしれません。

しかし、これは前年と比較して何パーセント成長しているかの相対値であり、リーマンショックや東日本震災のときなどはまともな生産活動が行われていません。その生産活動がない状態から、生産活動が回復してきたら驚異的な成長になるのは当然のことです。

上記は日本で生産活動の合計した数字になります(GDP)。単位はUSドルでビリオンになります。

これをみても明らかなように、1992年以降、日本は実は一切、成長をしていません。年によって多少、上下動がありますが、ほとんど1992年からずっと横ばい状態になります。

だったら、なぜ、株価は最近、新高値を更新したり、企業の業績は最高を更新したりするのかがわからない、という声をよく聞きます。その理由は非常に単純明快で、今まで中小や零細企業がやってきたことを大手がやっているから業績が過去最高になっているのです。

要するに、中小、零細が今まで稼いできたことを変わりに大手企業がやっているだけです。もっといえば、中小、零細の仕事を奪って、大手企業の利益にしているだけの話なのです。中小、零細の企業の利益はなくなり、大手企業の利益が増えているので相殺され、プラスマイナスゼロになっているのです。

たとえば、その最たる例はコンビニエンスストアになります。誰でも1社や2社のコンビニの店名を言えると思いますが、そのコンビニはもともと何をやっていたかといえば、その地方の雑貨店や食料品展などをやっていたケースがほとんどです。あるいは、地元の名士がやっているお店がほとんどです。

では、そのお店が、もともとやっていたお店をコンビニエンスストアに改装をして看板が付け替わったらその売り上げはそのコンビニエンスストアの売り上げになります。つまり中小、零細ストアの売り上げはそっくりそのまま大手企業の売り上げになっているのです。

考えてもみてください。あなたの知っている田舎町の自動車屋さん、スーパー、ホームセンターなどなどいろいろあると思いますが、そのほとんどは、昔、違う業態でお店をやっていたことがほとんどなはずです。それが大手の小売チェーンになっただけの話です。その売り上げを本部が株主対策のためにカウントしない訳がありません。もちろん、その個人事業主も売り上げをカウントするでしょうが、微々たるものです。

単に、中小、零細の売り上げを大手に利益を移し替えているだけですから、日本が成長しているということではありません。

昨今のアベノミクスについて

最近は、よく政治経済ニュースでアベノミクスがスタートをしてから景気がよくなったとよく言われます。

果たして、それは本当でしょうか?

これは、日本の過去10年のGDP、要するに、日本が1年間で生産をした金額の総額、これをGDPと言いますが、の推移です。

ここのグラフのキモは、この推移は、ドル建てになっていることです。

安倍政権がスタートをしたのは、2012年の年末になります。実質は2013年からのスタートです。むしろ、成長はしぼんでいるのです。安倍さんがいう、日本はアベノミクスによって成長をしているというのは実は真っ赤なウソなんです。

これにはカラクリがあり、このグラフはドル建てですよ、とグラフの説明をしました。アベノミクスは株を高くすることも目的なのですが、同時に円安にすることも目的なのです。

アベノミクススタート当初のドル円レートは1ドル80円だったのです。そして現在は110円近辺になります。最高で円安に行ったときは127円まで行っています。

つまり上記のグラフに80を2012年以前にかけ合わせるのと、110を掛け合わせるのとどちらが、数字は大きくなるのかの問題で、遥かに2013年のほうに高い数字が出るのです。

みなさんはなんとなく理解できたと思いますが、アベノミクスというのはドル円相場は円安、つまり80円のドル円相場が110円に行ったことによって示現した単なる蜃気楼といっても過言ではないのです。

つまり、ドル円レートは80円台に戻れば、また、元のデフレ経済に戻るだけなのです。もっといえば、安倍さんが大きな功績を残したように勘違いをしている方が多いですが、実際は、何も変わっていないのです。だって、みなさん、多少は生活が改善をしたと思いますが、本当に2012年と比べて景気がよくなったとお感じになっていますか? これも総務省の統計調査ではっきりしていますが、ほとんどの人は景気がよくなったとは感じていないという統計も出ています。

もっと、申し上げれば、日本はアベノミクスなど関係なく、1992年から時代は変わりましたが、経済状態はほとんど変わっていないというのが実態になります。

日本の銀行はなぜダメになったのか?

この説明をするのには、以下のグラフを見てください。

このグラフは、日本国債10年物金利の推移になります。

この表現は難しいと感じると思いますのでかんたんに説明をすると、みなさんが住宅を購入するのに、借金をする金利のグラフの推移を表したものと考えていただければわかりやすいと思います。

実際の住宅ローン金利は日本国債金利30年物金利を指標にするのですが、ここでは詳細を省きます。

みて、おわかりになると思いますが年を追うごとに金利は低下をしています。みなさん、借金を背負うときには、金利、非常に気になりますよね。気にならないという方はいないと思います。

このグラフをみれば、おわかりになると思いますが、まだ、金利は下がる気配がありますよね。しかも、日本銀行はこの金利を2016年にマイナス金利に誘導をしています。つまり、借金をすると、年を追うごとに借金が減るというパラダイス状態です。

この状態で誰が儲かるかといえば国です。日本国債というのは平たくいえば国の借金なのですから、国はみなさんから借金をして、その返済を伸ばせば、伸ばすほど借金の返済や利子は減るのです。やっていることは無茶苦茶なのです。

だから、今年の国家予算は100兆円を超えてしまっているのです。借金をすればするほど、返済や利子は減るのですから予算は拡大する一方で、借金が増えたという理由で消費増税をしているのですからもう無茶苦茶、というほかありません。

では、銀行の話に戻りましょう。

まず、みなさんが上記の金利の推移で感じたことは企業も一緒のことを感じます。つまり、企業が新規に事業をおこなおうと思ったときに、銀行から借金をしようと考えるのが第一義になると思います。

ところが、上記のグラフをみて、みなさんと同じようなことをするのです。つまり、できるだけ手元資金で新規事業を立ち上げ、そして、借金は最後の手段だ、と思う訳です。その証拠に企業の内部留保も過去最高になる訳です。

内部留保というのは、会計上の用語であり、ようするに儲かり過ぎてしまったお金のことです。つまり将来、何かの事業をやろうとしたときに銀行に借りるのが馬鹿らしいから自分の手元にある資金を使ってやればいいや、と思うのが通常の感覚でしょう。

そうなると、銀行の融資の金額はどうなりますか?

答えは非常に明快です。ものすごい勢いでその融資量が減ります。さきほどご説明したように、銀行の主業務は融資なのです。決済や、為替などの手数料など微々たるもので、その主力は、やはり融資で儲かっているのです。

その融資が激減している状況の中で、銀行はやっていけるのか、いえばやっていけないのです。ですから2000年を越えたあたりから経営が苦しくなり、みなさんの銀行に預けているお金を出金するのにも入金をするのにも手数料を課すようになったのです。

そしてそれでも、足りないので銀行の窓口でリスクのある保険や公社債、投資信託などを国の許可を受けて販売を始めたのです。

そして最後のとどめは2016年の日本銀行が導入したマイナス金利になります。このときにはすでに、もう融資から得られる利益だけでは食っていけなくなっており、日本国債を保有することによって出る利子で経営をしていた状態が、さらに国債で受け取れる金利が減ったのですから、もうたまったものではありません。

おまけに、マイナス金利をさらに拡大したら、さらに企業や、これから住宅ローンを抱えようとする人はさらに減るでしょう。そうなれば、経営的にはかなり厳しくなり、おそらく廃業を申請する銀行も出てくることでしょう。

つまり、金利の利ザヤによって儲けることのできるビジネスモデルも限界に達しており、そして金利が下がり続ける現在、その資金需要の拡大も見込めない状態になっているのです。

では、どうしたらよいのか?

いままでの話をしていると、すわ、日本倒産、とか、言い始めるという典型的なパターンの話になります。

この話の典型的なパターンは、日本は倒産する可能性が大だから、金を買いなさい、とか始まる話になります。しかし、その話もウソであって、日本は借金も多いですが、お金を貸している金額は世界ナンバー1の国にもなるのです。

つまり会計学では、借金は大きくあるけど、それだけにフォーカスしても仕方がない、ということです。借金がこれだけ多い国は世界でも珍しいのですが、外国に貸しているお金も世界ナンバー1なのです。

つまり貸付金も、会計学の処理でいえば資産のうちにありますので、資産から借金を引くと日本はそれほど大きな借金を抱えていません。要するに、外国に貸し付けているお金の差っ引きで本来なら評価をしなければいけないのですが、これほどまでに資産が多い国は世界に類をみないのです。

たとえば、国会議事堂やみなさんの地域にお住まいの県庁舎など思い起こしてみてください。立派な建物でしょう。これ、外国であれば、こういう国会議事堂や県庁舎などは、たいてい民間企業のものです。日本だけです、政府や地方庁舎などを国や自治体の資産として、保有をしているのは。

外国では、民間に売却をして、それをリース、つまり賃貸で政府や地方自治体が借りています。当然、政府に貸せば、空き室になる可能性は非常に少ないので民間は喜んで貸したがりますのでそれで成り立つのです。

だから、日本は借金以上に土地が高価なところに立派な上物をもっていますので、資産がいっぱいありますから倒産するようなことはありません。通常、これだけ多くの借金を抱えている国には、資産がないという通例から国際社会は借金の金額にフォーカスしているだけの話なのです。

でも、借金はこのコラムを読んでいる人にはほとんど関係のない話になりますが、投資をしてお金を増やそうと考えている人には非常に迷惑な話なのです。なぜなら、この金利と本当の実態を較べると、日本国内でお金を運用しても増えそうな見込みがありませんよね。

だったらどうすべきか? というのが本コラムの趣旨になります。

日本国内で運用をしても無駄なら?

日本国内で預金をしてもスズメの涙の金利しかつかない、株式を運用しても上記の説明をしておわかりのように、実態経済は全く成長をしていませんのでドル円相場次第というのはなんとなくおわかりなったと思います。

もちろん、大手企業が中小、零細企業の利益をもって吸い上げれば株価は上昇するでしょうが、そういう収奪型の経済というのはどこかで限界を迎えます。だから、日本銀行はせっせと日経平均ETFを買っているのです。

日本がダメなら海外で増やすしか、ない、というのが結論のほかにない訳です。日本国内では、金利は低く、複利効果も薄く、株では、いつ、その破裂が起こるか、わからない、その国内という選択肢がなくなれば、残す選択肢は、海外になる訳です。

預金を中心に考えるのであれば東南アジアが有望

まず、海外経験が多い人は少ないと思いますので、近距離の海外を視野に入れるべきです。まず、距離が近いということで日本語を話せる人、通じる地域が多い、というのが選択の理由になります。

もちろん、お金が一番大事という訳ではありませんが、やはり生活をしていくためにはお金はやはり大事になります。そのお金は増えるためには、やはり金利が高いほうがよい、ということです。

なぜなら今の、アメリカやヨーロッパなどの先進国では東南アジア各国と比べると、金利は相対的に低いからです。特に、アメリカが良いと推奨する人が多いと思いますが、現在のアメリカは金利を上げると経済が停滞するという問題に直面をしています。

すなわち、金利をあげると経済が停滞をしてしまうという難しい局面にきています。つまりこれから預金の金利や国債の金利が思ったようには上昇しない局面にあります。ヨーロッパはイギリスやイタリアの混乱をみれば、選択肢としてはあり得ないと思います。

その点、東南アジアは、非常に有望になります。トランプ大統領は昨今、やたらと北朝鮮との会談を催していますが、本来ならアメリカは東アジアや東南アジアなどにほとんど興味がありません。アメリカ人に知り合いがいる方ならおわかりになると思いますが、まず北朝鮮という国を知っている人は圧倒的に少数です。その代わりにイスラエルやイラン、イラクのニュースは毎日、アメリカのニュースをにぎわしています。

ところがこれが転機になったのは1990年代のクリントン政権がアジア重視の政策を打ち出してからのことになります。その結果、中国は隆盛を極めたのです。しかし、昨今は不調です。

ですから中国に変わる投資国として北朝鮮が想起されているのですがご覧の通り不調な結果となりました。

北朝鮮との交渉は日本人には関心が高いでしょうが、おそらく大きな進展は短期的には難しいと思います。

そうなると韓国ともゴタゴタが続き、中国は不調となると近隣諸国となると自動的に選択肢は東南アジアになるのです。

東南アジアのすごいところ

たとえば、フィリピンの場合をご覧ください。

上記は、日本でも紹介しましたが、フィリピンの経済成長(GDP)になります。日本との比較を参考までに掲載をしておきましょう。

経済規模が違いますので、一概には比較ができませんが、日本が1990年代から停滞しているのと比べ、青い線のフィリピンは順調に成長をしていると言えると思います。

リーマンショックや東南アジア通貨危機(1997年)で停滞をしましたが、そのほかは日本の成長を凌駕するような勢いです。

また、東南アジアの近年、成長の優等生と言われるタイとも比較してみましょう。

青い線はフィリピンになりますが、黒い線のタイは上下に激しいという感想を持ちます。これは、タイは基本的には王政ということが影響をすると思います。もちろん民主化はされていますが、いろいろな権力争いが近年、起こっています。つまり、近年はどっちらかといえば政治的には安定をしているとは言えないと思います。

ところがフィリピンはマルコス政権で、かなり混乱をしましたが、アキノ政権やその息子の政権、そして近年、誕生したドゥテルテ大統領によって政権は非常に安定していると言えます。

そして、フィリピンの金利をみてみましょう。

金利は日本のように一方的に下がっているという訳ではなく、ドゥテルテ政権になってから低下をしています。これは、ドゥテルテ政権の失政ではなく、貿易相手国である中国が経済失速したことによって経済が東南アジア全体で下がっているのです。

決して、フィリピンが政情不安や経済停滞の問題で下がっているのではなく、海外要因で金利が低下している訳ではありません。

また、2000年以降は金利が16パーセント近辺からリーマンショック以降まで4パーセント台まで下がっています。この16パーセントという金利は、逆にフィリピンの成長を阻害します。

なぜなら、16パーセントという金利で誰がお金を借りるのかという問題が浮上をします。10年100万円をかりて、それを複利計算を単純にすると10年後の返済総額は、441万円になります。100万円を借りて10年後に441万円を返済するひとはなかなかいないと思います。

そう考えると日本の消費者金利というのはいかに20パーセントというひどい金利を設定しているのかおわかりになると思います。

現在の金利

現在の金利は6パーセント台に落ち着いています。

この6パーセントの金利が仮に10年間続いたとすれば、100万円のお金は、10年後には約179万円になります。

日本の銀行預金でこのような金利がついたのはもう、25年も前になりますので実際に経験した人はいないと思いますので、なんとなく、6パーセントの金利でこんなにもなるのか、と思う方は少ないと思います。

この計算方法は、6パーセントの金利とすれは1.06を10乗すればいいのです。ですから日本の金利が1パーセントの金利だと仮定すれば、1.01を10乗すればいいのです。この解は1.10程度になりますが、これに元本が100万円だとすれば、100万円×1.10にてその満期の金額が計算できることになります。

つまり預金を10年間でも5年間でも寝かしておくだけで10年、置いておけば、何もしないでも80万円の金利を受け取るっことができる国なのです。

もちろん、その間に入出金をしないことが前提条件になりますが、出し入れをしないのであれば海外定期預金のほうがより利率はよくなることは自明のことになります。

ただし、リスクもあり、為替の変動になります。たとえば、10年間で80パーセント弱の金利がつくと説明をしましたがこの10年の間にドル円が現在110円だとすれば、その80パーセント円高に行く可能性があるか、ということになります。

つまり現在の110円のレートが80パーセント切りあがると、22円という驚異的なレートになります。10年後の話は誰にもわかりませんが、このようなレートになる可能性は、いろいろ説明方法はありますが、現在ではそのような予測は不可能です。つまりあり得ない、ということです。

もちろん、今後、起こる政策転換や事件によって、その可能性は否定はできませんが、通常に考えてそのようなレートにはなるとはにわかに考えにくい状態にあるとかんがえています。

つまり、80パーセント以上の通貨の切り上げがあれば、この投資は損勘定になりますが、現時点ではその可能性は低いということを申し上げたいのです。

このように6パーセントの金利というと低い、と本能的に感じると思いますが、実際、この複利効果というのはたった6パーセントでも時間をかけると、大きな金額になるのです。

海外銀行口座の事情

現在、日本で銀行口座を開こうと思っても、なかなか面倒くさい手続きがあります。たとえば、運転免許証などの本人確認書類などの提出は義務づけられています。そのほか、口座開設の理由開示も求められます。すなわち、口座に開設理由がなければ銀行口座の開設は難しくなってきているのです。

この背景には国際的に、テロや麻薬組織、地下組織などの資金の流入を防ぐ、マネーロンダリングなどの防止が日本やフィリピンをなどを含めて、こういった組織の口座を開くことを防止をしようという取り組みがあります。

これは、統治機構がきちんと機能している国では、マストになっています。当然、今後、海外に預金口座を開くためには、今後、審査がかなり複雑になってきます。とくにフィリピンではドゥテルテ大統領が麻薬犯罪者を殺害する、と宣言し、実際に殺害をしています。

そのくらいドゥテルテ大統領は麻薬犯罪、組織撲滅に本気なのです。麻薬を購入する際には必ずお金が必要になりますので、そのお金を銀行経由で入手されないようにするための取り組みがマネーロンダリングになります。

日本でも年々、こういった国際取り組みによって銀行口座開設が厳しくなってきていますので、フィリピンは現在、麻薬組織撲滅に大統領自身が真剣に取り組んでいる状況ですから厳しくなります。ましてやフィリピンは英語が公用語に含まれているとはいえ、外国語が苦手な日本人にとっては言葉のリスクはできればさけたいものです。

ただそれだけ厳しい規制が引かれるのであれば、フィリピンでの麻薬の犯罪が社会問題になっているように、この麻薬犯罪がなくなれば、反対にフィリピン経済は飛躍的に発展することになるでしょう。

つまり、この銀行口座開設に関しては今後、厳しくなることはあっても、緩和されることはまずない、と考えたほうが良いと思います。こういった犯罪というのは手を変え、品を変え、規制の盲点を突くのがつきものですから、その規制を突破されるごとに規制が厳しくなると思います。

要するに、この海外での銀行口座預金や海外定期預金は、規制は厳しくなる一方ですので早めに権利を確保したほうが良いということです。